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美味しいベリーやキウイを育てるために

  • 執筆者の写真: ER AO
    ER AO
  • 6月5日
  • 読了時間: 5分

更新日:6月7日


 私たちのファームではブルーベリーの他に、ブラックベリー、ラズベリー、キウイを育てています。ベリーの収穫時期は主に夏、キウイは秋ごろですが、美味しいベリーやキウイを育てるために、一年通して様々なお世話を行っています。摘み取り園が始まる6月から、ファームの一年をご紹介いたします。



6〜8月 ベリーの収穫・摘み取り園オープン



 5月下旬から6月ごろ、ブルーベリーは最初にハイブッシュ系が熟し始め、7月からラビットアイ系が完熟を迎えます。その食味は、ブルーベリーの品種によって驚くほど違うため、一概に表現するのは難しいのですが、ハイブッシュ系は、薄めの果皮であることが多く、食感よく爽やかな味わいです。対するラビットアイ系は、しっかりした果皮や種の粒感が楽しく、濃い味わいに感じます。


 ブルーベリーは追熟しないため、摘み取った時が一番新鮮で美味しいです。ベリー農家としては、やはり摘みたてを味わっていただきたいため、毎年多くの方に摘み取り園を楽しんでいただけるのが、この上なく嬉しいです。

 また、摘み取り園にお越しいただかなくても美味しいうちに皆様にお届けできる様、ほぼ毎日、熟したものから収穫し、生や冷凍の状態で全国発送を行っています(オンラインショップはこちら)。


 ブラックベリー、ラズベリーも7月ごろから食べ頃になります。真っ黒にツヤツヤと光るブラックベリーは、種感は強いものの、ハーバルな味わいと奥深い甘さが楽しめます。ラズベリーは少し見つけにくいですが、葉っぱの下をめくって探すと、濃い真紅の実が見つかります。その華やかな香りと特徴的な風味は別格です。


 暑い農園で一日中過ごすので体は疲れはしますが、沢山のお客様に出会ってお話をしたり、皆様が楽しそうに摘み取りされている様子を眺めて、元気をいただく時期にもなっています。



9月 摘み取り園の片付け・雑草の草刈り



 摘み取り園が無事に終わり、ブルーベリーの収穫も終わると防鳥用ネットを畳みます。これで夏の収穫期は一区切りです。しかし、ほっとするのも束の間、残暑で雑草たちは次々に生えてきます。刈っても刈っても直ぐに生えてくる雑草との戦い…農薬を使わないからこその大変な作業です。でもきっとこの大変さが、健康で美味しい実りに繋がると自分達を励まして、繁忙期の疲れも労りつつ、ひたすら草を刈り続けます。



10〜11月 ラズベリー、キウイの収穫・加工



 より涼しく、過ごしやすくなってくると、二季なりラズベリーとキウイが収穫時期を迎えます。ベリーたちの葉もこの時期に紅葉します(キウイは紅葉せず葉が枯れます)。

 ここで摘み取ったラズベリーは冷凍し、ジャムやアイスクリームの加工品に使います。ラズベリーの収穫量はまだ少なく、数量限定でジャムやアイスを作っているため、もしも見つけたときはラッキー!ぜひ試していただきたいです。

 キウイは、加工に向いた果肉の黄色いゴールデンキウイを育てています。ジャムにすると、果肉の鮮やかな黄色が落ち着いた山吹色になります。レモンともまた違うグッとくる酸味に、種のプチプチした食感が堪りません。キウイジャムとブラックベリーソースを混ぜ込んだケーキをイベント限定で販売しています。彩りも味わいも華やかで、ちょっとした手土産としてご好評いただいています。



12〜1月 ベリー、キウイの剪定



 寒さが本格的になり、ベリーやキウイの葉が落ちてきたら枝の剪定を行います。樹木の活動がゆっくりになるタイミングで、次の春に向けてエネルギーを蓄えてもらうために、しっかりと枝を切り落とす必要があるのです。新たな枝が元気に伸びる様に、新しい葉が陽の光をたっぷり浴びれる様に、樹形を想像しながら調整していきます。ちょっと地味ですが大事な工程です。剪定イベントを行った際には、参加者の皆様にも枝を切っていただき、剪定した枝で焚き火を楽しみました。



1〜3月 土壌検査・肥料づくり・土づくり



 土も来年へ向けて準備を進めていきます。まずは、その年の土の状態を知るために、畑ごとに分けて土壌検査を行います。リンや窒素という様な土壌の栄養バランスや、微生物の様子を調べてもらった結果を元に、それぞれの畑専用の肥料を作ります。

 肥料によって栄養の配合率が違うため、電卓を片手に、組み合わせ方を細かく計算していきます。(確定申告も迫る中で)なかなか大変ですが、次の春、ベリーたちがもっと元気に美味しく育つことを想像しながら、計算を楽しんでいます。



4〜5月 設備の修繕・開園までの準備



 そうして土づくりを進めていった畑では、新しい枝が伸び、新芽が見え始めます。日差しが一層暖かくなり、畑の周りも明るい緑色に溢れ、ついに春がやってきた!と気持ちがワクワクする一方で、今年はどれくらい実ってくれるか、ミツバチがどれくらい来てくれるか、どんな味になるか…と色々心配な気持ちにもなります。今年も素晴らしい実りと出会いに恵まれます様に、と神様に祈って、防鳥用ネットの修繕や草刈り、広報など、出来る限りのことを黙々とこなしていきます。

 やがてブルーベリーの花が無事に結実し、鈴の様に成り始めるのを見て、やっと人心地がつきます。そしてブルーベリーの実が大きくなり、青紫に熟し始めるころに摘み取り園が開園を迎えるのです。



 ファームの一年、いかがでしたでしょうか?


 一年中何かしらの作業が必要な農業ですが、四季折々違った表情を見せてくれるベリーやキウイ、畑の周りの様子を見られるのが本当に楽しいです。


 ファームの近くに立ち寄られた際には、「今こんな作業の時期かな?」と想像してみてくださいね。



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